●教室のこと
もうすぐ5月です。
5月いっぱいで当工房の漆教室は一旦終了いたします。
写真1枚目は、下地の「地」をしているところです。一番荒い下地です。
このあと、きりこ、錆、と言われる細かい下地に移っていきます。
下地の方法も様々あるのですが、今回は一番まじめ?な下地方法「本堅地」という方法です。
木地調整→木地の表面をキレイに整えます。
固め→木に十分漆を吸い込ませます。むか〜しの漆器は木地を漆にドボンと漬けて本当に中の中まで漆を染み込ませていたという話を聞きました。その堅さとか音とかが違うって。 でも、私にはそんなことはできないので、2回程固めを行います。
布張り→麻布を使用しました。寒冷紗でもなんでも結構ですが、できれば布はバイアス状に使いましょう。丈夫です。 布の張り方や目の方向で引っ張られたりしちゃい歪んだりしちゃう場合もあるので、気をつけましょう。
目すり→布の目を下地で埋めます。
地2回→きりこ2回→錆2回
ざっとこんな感じの工程ですが、その間間にも細かな工程が入るので、一体何工程すればいいんだい?という感じですが、とても大切な事です。
教室では蒔絵や変り塗などの加飾をメインに行っている方が多いのですが、本当は一番大事な下地に是非挑戦してもらいたいと思っているのです。
初めての割りにはとてもキレイに付けてあります。
でも、実際はパネルに絵を書きたいという方なので、そこまで辿り着くまでにどんだけの時間がかかるのか・・・・可哀想になってきます。が、がんばってください。
さて、写真2枚目。
これはですね〜〜、私も初体験なのでちょっとドキドキしたのですが、
砥石です。 よく砥石の割れを防ぐために側面などに漆などの塗料を塗る事は知っていましたが、え〜と、割れた砥石を漆でくっつける・・・是非やってみたいとの事。
色々調べても実際漆でくっつけてどうなのか?というのは載っていなかったので、やってみました。
ちょっと割れているのならまだしも^^
でもくっつきました〜。 結構丈夫です。欠けているところや、溝が沢山あるので、砥石として使えるのかは今後の報告楽しみにしています。
側面と裏は黒い漆で塗りました。 表面は今は汚いですが、ちゃんと面出しします。 金継もできるので、石もくっつくだろうとは思いましたが、くっつくもんですね〜。 ^^
いや〜面白い!!! きっとこの砥石も結構お高いものだと思うのですが、この方のおかげで私は色々と勉強させてもらいました。骨董品のこともそうです。
写真3枚目は骨董品を直して自分で口などを付けた片口です。でかいです。
その他10点ほどの大物の修理をされて、無事すべて嫁いで行きました。
(元々私のモノではないのに、この大物達が我が家から居なくなるのがとても寂しかったです。)
興奮してお腹が痛くなってきました。
漆とお空の考えてばかりいるとそれはそれは悶々とする日々ですが、それも一切無い日々が続くと、隙間風がヒューヒューと吹き込んできて心がグラグラするんです。芯が・・・ やはり、漆中心の生活が苦しいけれど性に合っているようです。でも、夢見がちなので危険なのです。
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