1年越しの笛
昨年笛塗り教室に来られていたTさん。
最後の磨きの作業を残して、仕事がお忙しくてなかなか来られませんでした。
その間はずーっとうちで預かっていたのですが、本日ようやくお渡しすることが出来ました★
漆は数カ月数年置くほどに中まで締まってより硬く、硬くなれば艶も出やすくなります。
すっごく良い状態でお渡しができて私も満足^^
こちらの黒い笛は 一部が欠けてしまって竹の剥がれたヘギ目みたいなのが見えていました。
通常はその凹みを埋めて修理するのですが、
これはその裂け目を生かしてしまおう!!!という事で、
「純金」を施しました。
(まだ純金の値段が1g4000円程度の頃だったので贅沢に・・・今は7000円超えてます^^;)
金の粉を定着させたままですと、まだ黄土色をしています。
それを磨いてあげると、なんということでしょう。
底光りするような素晴らしい金色に変化するではありませんか。^^
笛を吹くと、丁度正面に見える位置にあります。
通常は磨きの作業も数工程かかるのですが、
たっぷり時間をかけて乾かしたので漆と金の密着力も強いだろう、、と思い、
いろんな作業をぶっとばして、「鯛牙」で磨きました^^
金粉の表面を潰してあげるというイメージです。
凹んだ部分などを磨く時などは鯛牙(たいき)が役立ちます。
ほかに秋田犬の歯?などもいいと辞書に載っていました。
程良く歯先がまるくて大きいものが良いと思います。
金粉より固ければ金属の棒なんかでも十分です。
(広い面をナイフのようなもので磨く人もいます)
という訳で、今回無事、笛制作を完了されたT様。
大変お疲れさまでございました。
これまでの工程
http://blog.casaico.com/log/eid354.html
http://blog.casaico.com/log/eid318.html
漆教室のこと | - | trackbacks (0)|