週末は来客マックス2 掻き子さん
日曜日は漆教室の日でした。
その時間に合わせて、岩手県の浄法寺から漆の掻き子(漆を採取するひと)の猪狩さんがいらしてくれました。※黒いセーターを着ている方が猪狩さん。
今年とれた浄法寺産の漆を持ってきてくれました。なんだか久しぶりに見る採れたての日本産漆に、私、とっても興奮気味。
生徒さんもかぶれないように手袋2重で恐る恐る触ったり、匂いを嗅いだり、いろんなお話を伺いました。
と、私、思い出しました。
かれこれ10年近く前の浄法寺の漆を持っていることに・・・・
当時、「もったいない」とか思って使わずに大切にとっておいたんですね。。。しかも、存在をすっかり忘れて、チューブに入れたまま、冷蔵庫にも入れない状態のものが。
せっかくの機会なので、その漆は使えるかどうか猪狩さんにチェックしていただこう!!!ということで自宅から持ってきました。
左の写真が猪狩さんの漆。
ヘラから垂れ落ちる漆がサラサラしていて、とても透明感があって美しいのがわかりますか?
これは「盛辺」といって、8月夏の時期に採取された漆でとても質の良いものです。 中塗りや上塗りなどに使うのが適している漆です。
他に6月-7月位に採られる漆は水分量が多くて粘度が高い「初辺」といい、下地や拭き漆などに使用するのがグッド。
9月に採られるものは「遅辺」といって、盛辺よりすこし粘度の高いものになります。
さて、右側の写真は私が持っていた「2001年浄法寺盛辺etc」です。
もう一目瞭然。 粘度が高くて、透明度もなくて、不味そうな感じ^^;
もう、恥ずかしいったらありゃしない。猪狩さんの不安そうな表情が何よりの証拠。
でも、中国産のような変な匂いもしないし、乾きも問題ない感じだったので、拭き漆などには十分使えるとのことでした!!!
猪狩さんは優しいので「10年経つとこうなるんだー」と楽しんで?くれました。
左が今年の漆。右がレトロな漆。^^;
なんだかんだでお茶碗2杯分くらいの量があったので、新しい漆を少し混ぜて使用しようと思います。 ほんとに使わないのがもったいない。
11月13日日曜日、お陰さまでとっても楽しい漆教室の時間になりました。
大変お世話になりました。
猪狩さん達がお帰りになってから気づいたのですが、11月13日は「うるしの日」でした!
※語弊があると気まずいので、補足。
私の作品や教室では中国産の漆を使用しています。 日本で使用されている漆の99%は中国産と言うのが現状です。
他にもタイとか韓国などでも漆が採取されますが、中国産の漆が日本の漆と成分がとてもよく似ているそうです。
昔は輸送の時間がかかったりするうちに漆が痛んだり、何か混ぜ物?をしている事があったりしたそうですが、
基本的に各国、その土地で採れた漆の特性にあった技法等が発達し継承されています。
そう考えるとどこの漆が悪いとか良いとかは無いとは思うのですが、
確かに日本の漆は強くて最良とされています。が、皆さん、中国産の漆を嫌いにならないでね。 中国産の漆も手に入らなくなったら大変です。
というか、世界に誇る日本の漆技術文化は中国の漆がなければもはや成り立たない?というのは事実だと思います。でも、でも、。。。。 と、中国日本の漆についての意見は各々様々だと思いますが、
沢山ある中国漆だからといっても、大切な資源です。 感謝して大切に制作したいと思っています。
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